現場監督の年収が高いイメージを持っている方って意外にいるんじゃないでしょうか?
僕自身も元々は長年、ダクト配管工事の下請け業者として作業員~現場監督までを経験した過去があるなかで、
クライアント(サブコン)の側である現場監督の年収や同業種までのウラ話を聞いてきた過去がありますので、この辺りはけっこうリアルにお伝えできればと思います^^
現場監督と一括りで言っても業態・業種ごとに幅広く対応している、ちょっと特殊なモデルですからね。
ってことで今回は現場監督の年収をリサーチ!
なかでも年代別、とくに20代の平均年収の相場を調べてみましたのでご覧ください。
20代現場監督の平均年収は?
さて、さっそく本題です。
20代の現場監督の年収についてリサーチしてみました。
新卒ペーペーの20代前半からある程度知識・実績もついてきた20代後半と比べて、任せてもらえるポジションとかも変わるから、その辺は差が出ますからね・・|д゚)
ずばり結論、現場監督の20代の平均年収は「473万円」でした。
業種によってもらえる幅は様々ですが、仕事内容や取り扱う業務内容によっても格差はあります。
しかし、20代の現場監督(施工管理者)のボーナスや月収自体が高い為、20代の平均年収だけで言ってみれば、他職業から比較してかなり高いことが下記の図からわかりますね。
引用:厚生労働省:令和2年 主な産業、性、年齢階級別賃金及び年齢階級間賃金格差より
(ちなみに僕は25歳でダクト工事の初現場監督として任されましたが、当時の年収は380万円くらいでした)
現場監督の仕事は管理責任を伴いますし、多くのスキルを要求されるため、大変ではありますが、担当したプロジェクトが完成したときの達成感や現場のみんなで作り上げる一体感などは他の業種には経験できない仕事ですから、魅力のある仕事だと思います。
当然ですが、年収って額面給与のことです。
(福利厚生・税金などが引かれていない額)
実際にお給料としてもらえるお金が「手取り」です。
だいたいですが、
額面給与x75%=手取りの給与だと考えます。
そもそも現場監督の年収の平均相場ってどのくらい?
そもそも現場監督の平均年収ってどのくらいなのでしょうか?
日本を代表するスーパーゼネコンから地方の小さな建設会社や2次下請け業者まで、会社規模によって現場監督の年収ってけっこう差が出るかと。
さっそく見ていきましょう。
現場監督の業種別で平均年収の相場を比較してみた
厚生労働省が2018年にリサーチした内容によると、以下のような結果に。
現場監督(施工管理者)の業種別 | それぞれの平均年収 |
プラント・エネルギー系 | 725万円 |
ゼネコン | 664万円 |
不動産開発 | 660万円 |
コンサル系(コンストラクション・マネジメントなど) | 647万円 |
サブコン(設備・電気系) | 638万円 |
ハウスメーカー・工務店 | 635万円 |
建設コンサルタント | 625万円 |
その他 | 625万円 |
不動産管理会社 | 590万円 |
専門業者(建設・土木などの2次下請け) | 575万円 |
自営業 | 455万円 |
上記の表を見てもっとも年収が高かったのは「プラント・エネルギー関係」の現場監督(施工管理者)。
ゼネコンの年収を抜いての理由としては様々ありますが、
- 受注金額や利益率の違い
- 通常の現場と比べて危険リスクが圧倒的に高い
- 業務内容が幅広くて大変
- 国内外にほぼ出張ざんまい
- 肉体的にも精神的にも過酷(いろんな意味で)
単純にこんな要因が考えられます。
たしかにプラント系でやってる現場監督者って一般建築のセコカンより技術力が高い印象です。
技術的にレベルが高くて様々な分野で精通していますし、エキスパートが多いイメージ。
その分、他の業種の現場監督と比べてよりハードな印象があるので、年収に関してはうなづける部分ではあります。
実際に僕自身、前職の勤め先で営農プラント施工を受注していたクライアントさんからお仕事をもらったりしていたので、仲良くなった現場監督さん達とはよく飲みに行ったりして、そういった話は何気に聞いていました。
監督さんが酔った席で自分の年収をポロリしたりしていましたが、ボーナスと併せてサクッと1本はいく(1000万円)と言っていたことを思い出します。
その当時ですが。あくまで参考まで。。。
20代の現場監督で年収1000万円はあり得るのか?
結構話題になっているのが、20代の年収1000万円いけるのか問題。
極論。いける人もいます。
ただし条件は高いと思います。
スーパーゼネコンなどの大手建設会社に勤務し、入社後5年以上で資格手当や良い実績を出したうえで、ボーナスの評価も良ければ20代後半で年収1000万円はあり得ると思います。
僕自身も、実際に年収1000万円をもらっている20代の現場監督を数人知っています。
個人的な話になりますが、ある大手サブコンの仲の良い28歳の若手職員(現場監督)がいて、プライベートな飲み会の場で年収のぶっちゃけ話になった時に。
彼はボーナスあわせて1000万円近い年収をもらっていると言っていました。
給与明細とボーナスの画像を見せてもらいましたから、本当です。
※しかも彼は当時、年2回のボーナスが100万円ですよ。。|д゚)
その席の飲み代は彼がすべて持ったのは言うまでもありませんww
なので、大手企業の現場監督者で能力のある社員であれば1000万円はリアルでもらっているという僕個人の見解になります。
また別な考えとして、現場監督は他の業種と比べて残業時間や休日出勤も多いです。
残業は現場監督者であれば避けては通れない道ですし、その分手当がつきますから、大手の保証内容なども絡めるとなると、結構現実的な数字にはなってくると思います。
でも、働き方改革が建設業にも普及して、ひと昔前では考えられなかった週休2日制の現場もありますね。
36協定も厳しくなった現在、”残業した分だけ稼げる”そんな職業ではなくなり、許容できる残業時間を過ぎれば「カット」されているのが実情ではありますが、残業代も含めて年収アップに貢献していると思います。
現場監督と現場代理人の違いとは?
現場監督(施工監理技術者)
範囲が大きすぎて一括りにはなっていますが、根本的な考えとしては、
工事現場の責任者として常駐しながら工程管理・安全管理・技術監督・お金のやり取りを行う決裁権があり、全体で指揮する人のことを総じて「現場監督」と呼んでいます。
ようは現場内で起こる全責任を負う立場の人のことですね。現場責任者とも言えます。
通常、経験・知識の面で20代では現場監督者はなりづらいと思いますので、
ここでいう「現場監督」とは20代の現場監督という意味合いにおいては、上記の意図とは異なりますので、詳しくは「現場代理人や主任技術者」という認識になります。
現場監督は工期が遅れて損害が出たり労災が起これば、立場的に全責任を負わなければならないので、かかるプレッシャーは本当に重大です。
現場代理人
現場代理人は注文者(クライアント)との建設工事の請負契約において、受注者としての立場の請負人の契約を定めに基づく法律行為を、請負人に変わって行使する権限を授与された人のことをいいます。
主任技術者
簡単にいうと、どんな現場でも正しいノウハウをもつ技術者で専任しなければいけないので、その役割を担っているのが主任技術者ということです。
社員以外で、外注委託された方でも資格が必要ですが、専任することができます。
なので、現場代理人や主任技術者こそが、今回の記事で当てはまる「20代の現場監督」というわけですね。
この役職については建設業法の規定によって、請負総額4000万円未満の元請業者や下請負に入る建設業者が直接雇用する技術者の中から、現場に配置しなくてはならない技術者のことです。
ちなみに請負総額4000万円以上の元請負の現場には主任技術者ではなく、監理技術者の配置が必要となります。
結局、20代の現場監督の給料は結局安い?それとも高い?
現場監督といっても会社員ですし、請け会社か下請け会社か、大手か零細かによっても給料に振り幅がありますから、一概には言えません。
先ほどは裏話を交えてましたが、全員があの額をもらってはいませんから。
20代現場監督の給料が安い・高いかの違いは?
ただ、業務に拘束される時間が長い分だけお給料は多くもらえるわけなので、一般的な業種のサラリーマンと比べて高い=お金が多くもらえると言えるのではないでしょうか。
資格の有無に関しても年収が変化するのも当然のことですし、遠方に出張する場合は、職務手当に加えて出張手当ももらうことになります。
- 中小企業に勤務している
- まだ経験が浅く実績がない
- 小規模な現場を担当
- 資格(施工管理技士など)を取得していない
- 残業代が支給されない会社に勤めている
- 学歴がない
- 大手企業に勤務している
- 経験や実績数が高い
- 大規模なプロジェクトを任されている
- 国家資格を多く取得している
- 残業代が全面支給される
- 学歴キャリアがある
上記にあげた特徴が、年収の差を分けるのにもっとも比較しやすいかと思います。
現場監督を辞めたい20代が多い理由とは?
大きくこの3つが原因として挙げられます。
- 激務(残業時間、休日出勤、出張、業務負担)
- 年収が少ない(残業代が一定以上出ない等。)
- パワハラ・人間関係でストレスを抱える
表してみるとわかるように、残業や休日出勤が当たり前にあることで、拘束時間が多すぎて辞めていくパターンがもっとも多いですね。
僕自身もダクト配管業者の現場監督時代の時は、現場内で作業の指揮や他業者さんとの打ち合わせなど行ったり、詰所や自宅で施工図の作成など、1日労働時間16時間とか普通にありました。
漆黒ブラックですね。
あとは肉体的にもキツイということ。
監督なら肉体労働はないだろうという考えは幻想ですね。
とりわけ、入りたての20代若手はここでのギャップに苦しめられます。
現場場内の資材移動や搬入の人員としてカウントされたりと、大手ゼネコンの現場監督ですらゴリゴリにコキ使われますから。
激務に加えて、現場内での危険な作業も割かし多いことや、直属の上司や下請け業者からのパワハラもあります。
現場内で下請け職長が若手の元請け職員に対してケリを入れたりする光景など、過去何度も目にしました。※現場監督があまりに使えないとかの原因で
人間関係においては年上の上司や気性の荒い職人さんを相手にするため、強いメンタルと高いコミュニケーション力も必要とされますから、心が病んでしまい、耐えられずに消えていく20代の現場監督も結構います。
現場監督に向いてる人・向かない人は?
現場監督の仕事の向き不向きについて、長年建設現場に従事してきた私の見解をまとめてみました。
- リスク・危機管理がしっかりしている人
- 人をまとめるのが得意な人
- ロジカルに考えれる人
- CADでの製図が好きだったり、PCを使って緻密な作業が得意な人
- 明るい性格でみんなから可愛がられる人
- メンタルが強い人
- お祭り騒ぎが好きな人
- お酒の付き合いができる人
このあたりではないでしょうか。
建設業界で最も怖いのが「災害=事故」です。
実務経験もありますが、安全マージンを考えて的確な計画と指導ができることが向いている条件の1つだと思います。
なので、PCを使っての施工図の作成なども含めて、細かいところに目を配ることができる性格の人は、個人的に向いていると思いますね。
そして、建設業界はまだまだ男社会。上司を含めて気性の荒い人間たちがたくさんいます。
その人間たちをまとめ上げる器量も持ち合わせていなければ、現場監督を続けていく事は厳しいでしょう。
時には現場の関係者との飲み会などにも参加しなければいけませんので、そういった会で率先して取り仕切ったり、お付き合いができる人間と判断された人はかなりプラスになると思います。
- リーダーシップを取れない人
- PCが苦手な人
- スケジュール・タスク管理ができない人
- コミュニケーション能力が低い人・暗い人
- 悪い意味で責任感が強すぎる人・落ち込んで抱え込んでしまう人
- 気弱で優しすぎる性格の人
- お酒の付き合いができない人
たいして現場監督に向いていない人ですが、向いている人の逆を想像してもらえたらいいかと思ます(適当w)
結局一番大事なのは、建築・モノづくりが好きかどうか!です。
好きなことを仕事にできたら、紆余曲折あってもへこたれずに頑張れるのではないでしょうか。
もし向いていないと実感した場合でも、まだまだ20代じゃないですか!
可能性に満ち溢れている人生。固定観念に縛られずにどんなことにもチャレンジしていけばいいと思います。
僕の経歴なんてめちゃくちゃ異色ですよ。
中卒で底辺で生きていた人間が35歳で建設業から一転、副業から脱サラ起業をして、今現在はwebビジネスの仕事を本業にして家族と幸せに暮らせていますから。
人生は自分自身が主役。
他人に影響されて我慢する必要も、苦しむ必要もないです。
興味を持ったことにどんどん挑戦していってくださいね^^
今回のまとめ
20代現場監督の平均年収は?
そもそも現場監督の年収の平均相場ってどのくらい?
現場監督の業種別で平均年収の相場を比較してみた
20代の現場監督で年収1000万円はあり得るのか?
現場監督と現場代理人の違いとは?
結局、20代の現場監督の給料は結局安い?それとも高い?
20代現場監督の給料が安い・高いかの違いは?
現場監督を辞めたい20代が多い理由は?
現場監督に向いてる人・向かない人は?
今回の記事では、私の経験のもとに主観的な内容でご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
どんな仕事においても給料を得ている分の作業や責任は伴ってきますし、若ければそれだけ覚えることも多いです。
これから現場監督として働く方、すでに働いている方、違う職種を検討している20代の方、たくさんいるかと思います。
どの仕事に置いて必要なのは、のめり込めるほど夢中になることと、いかにその仕事が好きでやりがいを感じれるか、ではないかと思います^^
それでは、最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!