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現場監督はやめとけ?!きついし離職率は高いし割に合わないのは本当?

現場監督は建築工事現場や土木工事現場、電気工事現場などにおいて、作業を指揮・管理する管理者です。

このため大学や専門学校で建築や土木を学ぶと、将来の進路として「現場監督」が候補になります。

また仕事内容は主に工程管理安全管理原価管理などが中心で、建設現場における作業で一般的にイメージされがちな力仕事などはありません。

しかしながら、しばしば現場監督の仕事はきつく、割に合わないことから「現場監督はやめとけ」といわれます。

そこでこの記事では現場監督が激務とされる理由を詳しくお伝えします。

現場監督はやめとけ?その理由を一挙ご紹介!

現場監督が行う業務は建設業界ではなくてはならない仕事です。にもかかわらず、なぜ「現場監督はやめとけ」といわれるのでしょうか?

近年では「働き方改革」の推進により他の業界同様、建設業界でも労働環境の改善への取り組みが行われています。

しかしながら、長年にわたって激務といわれてきた現場監督という職種においては、その取り組みがまだまだ不十分といわざるを得ない部分が少なくありません。

ではその理由をひとつずつみていきましょう。

残業時間が多いし帰りが遅くて毎日徹夜なのか?

建設業の働き方として目指していくべき方向性

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001171558.pdf

現場の状況や受注する案件によっても異なるため一概にはいえませんが、建設工事現場などで最優先されるのは納期です。

このため、何らかのトラブルが起こり工事の進捗に遅延が発生すれば残業によって納期に間に合わせることになります。

また、夜勤などもあり、勤務体系も不規則です。

こうした状況を改善するため、冒頭で触れたように近年「働き方改革」によって業界全体で労働環境改善の取り組みは行われていますが、国土交通省の「建設業の働き方として目指していくべき方向性」をみても、依然として残業時間が全産業と比較すると長時間に及ぶ傾向がみられます。

繁忙期は休みなしで年末年始も休めない?

建設業の働き方として目指していくべき方向性

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001171558.pdf

納期の遅れを取り戻すためには、残業だけでなく休日出勤しなければならないこともあります。このため、現場監督に限らず建設業全般で週休2日制をとるのが難しい状況です。

同様に納期の関係で長期休暇をカレンダー通りに取得できる企業は少なく、取得できる場合でも繁忙期をずらすことになります。

また、年末年始をはじめゴールデンウィークや夏季休暇なども現場の状況によって休みを取れる場合と、取れない場合があります。

実際、国土交通省の「建設業の働き方として目指していくべき方向性」をみると、建設業の所定内労働は調査産業の平均や製造業よりも長く、休日が少ないことがわかります。

現場監督の朝が早いワケとは

一般的な工事現場は午前8時に朝礼を行った後、1日の作業がスタートします。

しかしながら管理者である現場監督は毎日朝礼よりも前に出勤し、仕事の準備を終えていなければなりません。

また現場が自宅から離れていることも珍しくはないため、通勤時間を逆算するとより早い時間に家を出ることになります。

一方で朝が早い分、帰りが早いかというとそうではありません。

現場の終業時刻の午後5時以降には書類の整理や作成などの作業が待ち受けています。

このため、「自宅には寝るためだけに帰っている」といった現場監督も少なくありません。

現場監督なのに汚い仕事もやらないといけない?

現場監督は下請けの工事会社との契約のほか、建設現場における材料、警備員の手配などを行います。

このため、建設現場に常駐するものの、勤務時間の大半は工事事務所にいることになり、泥にまみれて働くということはありません。

しかしながら、工事現場に出ていかなければならないことはあります。

その多くは屋外で、天候によっては足場が悪かったり、トラックが巻土煙をあげていくこともあり決してよい労働環境とはいえません。

また季節によっては炎天下で汗だくになることから、熱中症のリスクも高い環境です。

肉体的にも疲れるしストレスが溜まってメンタルもやられる?

勤務時間が長く、休日も少ない現場監督の仕事は必然的に激務です。

さらに余裕のない工期やスケジュールだけでなく、建設現場の作業の進捗は天候に作業を左右されることも多いため、「忙しいのに仕事が進まない」という状態が大きなストレスになることがあります。

また、建設現場特有の環境として、現場監督は部下や上司だけでなく、元請けや下請け会社などの関係各社、作業員や取引先といったさまざまな立場や年齢の人と関わらなければなりません。

こうした複雑な人間関係に加え、相手とのコミュニケーションがうまく取れなかったり、コストを抑えて高品質な施工を実現するために無理な要求をするなどし、信頼関係を損ねるなどするとこれがストレスとなり、メンタルダウンに至るケースもみられます。

パワハラが原因で途中でやめる(消える)人や逃げ出す人も?

建設現場は気を抜いていると最悪の場合人命に関わる重大な事故も起こる危険な職場です。

このため緊張感や疲労からイライラすることで攻撃的な気分になりやすく、暴言や暴力行為につながりやすい側面があります。

加えて、体育会系の雰囲気が色濃いことから、残念ながら上司などからのパワハラが起こりやすい環境です。

こうした状況に耐え切れず、休職や退職、転職、あるいは職場放棄してしまう現場監督の姿もしばしばみられます。

現場監督はそもそもモテない?

現場監督は他の職業と比較すると非常に結婚しにくい、いわば「モテない」職業です。

そもそも建設現場は男性の比率が圧倒的に高く、出会いの機会に恵まれません。

また残業や休日出勤も多いため、合コンなど出会いのきっかけとなる時間もつくりにくく、そうした機会に恵まれたとしても一緒に過ごす時間をつくりにくいのが実情です。

さらには建設現場は各地に点在していることから現場監督は転勤も多く、遠距離恋愛がうまくいかないケースも少なくありません。

現場監督は離婚率も高い?!

 

運よく結婚できたとしても、離婚率が比較的高いのもまた現場監督という職業です。

その理由は、結婚できない理由と同様、激務のために夫婦で過ごす時間がつくりにくく、すれ違いが起こりやすいからだと考えられます。

そこで、厚生労働省の「人口動態職業・産業別統計の概況」をみてみると、夫側の離婚率は7.9%と、他の職業と比べ離婚率が高くなっていることがわかります。

現場監督の今後はどうなる?

働き方改革が推進されているとはいえ、少子高齢化により今後もさまざまな分野で人手不足が顕著になると考えられます。

なかでも現場監督についていえば、これまでのような長時間労働や休暇がとりにくいといった過剰労働の改善が主な課題となり、人手不足の問題に拍車がかかっています。

このため今後の建設業界は、業務効率化による作業工数の削減や労務費の抑制により、現場監督を含めた人手不足を解消するための土壌づくりとして、職場環境や待遇の改善が必要といえるでしょう。